代表合宿セットのレポート
2011.10.17 Monday | category:COMPETITION
関係者各位
Tondeと一緒にルートセットをしたことは、私にとって今までで一番有意義な時間となりました。
セッター視点はもちろん、クライミングジムを経営する人間として、とても多くのことを得られましたので、少しでも何かのご参考になればと思い、今回の感想を記載させて頂きます。
長くなりますので、お手すきの時にでもお読み頂ければ幸いです。
今回、仕事上は「コンペルートのセット」と同じでしたが、Tonde氏との多くの情報交換を通して、私のルートセットに関する固定観念の払拭、ひいては日本のクライミングジムが今後どういった進化をしていかなければならないのか、非常に多くの知識と経験、情報を得ることができました。
一部のクライマーの中では今回の強化合宿は多少話題をよんでおりましたが、私としては、一般クライマーはもちろんのことクライミングジムの営業に携わる多くの方に興味を持ってもらい、実際に現場を見てもらいたかったと思います。(現状ではそれは難しかったかもしれませんが)
「単に強くなるための講習会」ではなく、日本人クライマーに何が足りないのか、なぜそうなっているのか、その本質をたどれば、必ずクライミングジムの営業システムに行き着き、そこには、クライミングジムがこれから進化していくべき方向性を発見できることができます。
Tonde氏は、その為の非常に多くの有意義なヒントを与えてくれました。そのうちのいくつかを挙げてみます。
まず今回の合宿のメインである課題、日本のクライマーはTonde氏のルートのようなアクロバティックで創造性豊かな課題に対する免疫がないということ。実際にこれらの課題をセットして試登しましたが、今の日本のクライミングジムで同じような課題ができるかと言ったら無理でしょう。大きなハリボテを足元につけるなんてもってのほか、セット後の営業を考えると今回セットしたどの課題も困難を極めます。
近年の草コンペをもってすると、ほとんどのコンペでは営業ウォールのまま、課題をセットして行っています。ホールドを全部外すコンペといったら、限りなく少ない。周知のとおり、復旧の際の手間・費用が嵩んでしまうからですが、その柵さえ取り除ければ、今回のような創造性豊かな課題を、草コンペでも多くの未来のクライマーに体験してもらうことが可能になります。沢山のコンペで同様の課題を味わえるとなれば、問われるのはそのクオリティであり、ルートセットの重要性や独自性・創造性といったものが求められ、ルートセッターの技術アップが必至です。その対価も上がっていくことでしょう。そして、よりクオリティが高くなるにつれ、基盤になる選手達のスキルアップ(技術はもちろん、メンタルや対応力向上)は確実です。
またTonde氏は、ジムにおいて同じ課題を何週間も1ヶ月もトライし続けることはあまり有益ではなく、次々に異なるタイプの課題に取り組み、新しいムーブ、動きを試していくべきだと言っていました。これは前述したことと同様、ジムのホールド替えが年に数回というのが慣例になりつつあり、多くのクライマーは同じ壁で長い期間トレーニングをしていかなければならないということが、それを誘発している大きな原因の一つであるとも考えられます。
ということは、頻繁にルートセットを繰り返すことが必要になります。これに対する解決策は各々のジム経営者が知恵を絞っていかなければならないことです。個人的には頻繁にルートセットができれば、ジムの経営に対するメリットはデメリットを凌ぐと考えておりますが。それが可能になれば、日常から思い切ったルートセットができるようになり、ジム側はルートセットの何が重要なのかを考え、セッターは知恵を絞り、アイデアを常に創造しくようになります。そのクオリティ高い壁で日常からトレーニングできる選手達は、多くの異なるタイプの課題への取り組みが可能になり、スキルアップが容易になるはずです。
今回の講習会は、ただ単に選手達のスキルアップだけではなく、皆の弱点を知ることにより、実に様々な側面からクライミング業界の在り方を考えさせられる取り組みでした。もちろん考えるだけではなく、広い舞台で活躍するTonde氏とのコミュニケーションによって得られたものや、選手間でも同じようなコミュニケーションがあっただろうことも、非常に有意義だったと思います。
私にとっては、今まで当たり前だと思っていたことに対する疑問、アイデアを具現化する良いきっかけになりました。
この機会を与えてくださった皆様には、本当に本当に心から感謝しております。
Tondeと一緒にルートセットをしたことは、私にとって今までで一番有意義な時間となりました。
セッター視点はもちろん、クライミングジムを経営する人間として、とても多くのことを得られましたので、少しでも何かのご参考になればと思い、今回の感想を記載させて頂きます。
長くなりますので、お手すきの時にでもお読み頂ければ幸いです。
今回、仕事上は「コンペルートのセット」と同じでしたが、Tonde氏との多くの情報交換を通して、私のルートセットに関する固定観念の払拭、ひいては日本のクライミングジムが今後どういった進化をしていかなければならないのか、非常に多くの知識と経験、情報を得ることができました。
一部のクライマーの中では今回の強化合宿は多少話題をよんでおりましたが、私としては、一般クライマーはもちろんのことクライミングジムの営業に携わる多くの方に興味を持ってもらい、実際に現場を見てもらいたかったと思います。(現状ではそれは難しかったかもしれませんが)
「単に強くなるための講習会」ではなく、日本人クライマーに何が足りないのか、なぜそうなっているのか、その本質をたどれば、必ずクライミングジムの営業システムに行き着き、そこには、クライミングジムがこれから進化していくべき方向性を発見できることができます。
Tonde氏は、その為の非常に多くの有意義なヒントを与えてくれました。そのうちのいくつかを挙げてみます。
まず今回の合宿のメインである課題、日本のクライマーはTonde氏のルートのようなアクロバティックで創造性豊かな課題に対する免疫がないということ。実際にこれらの課題をセットして試登しましたが、今の日本のクライミングジムで同じような課題ができるかと言ったら無理でしょう。大きなハリボテを足元につけるなんてもってのほか、セット後の営業を考えると今回セットしたどの課題も困難を極めます。
近年の草コンペをもってすると、ほとんどのコンペでは営業ウォールのまま、課題をセットして行っています。ホールドを全部外すコンペといったら、限りなく少ない。周知のとおり、復旧の際の手間・費用が嵩んでしまうからですが、その柵さえ取り除ければ、今回のような創造性豊かな課題を、草コンペでも多くの未来のクライマーに体験してもらうことが可能になります。沢山のコンペで同様の課題を味わえるとなれば、問われるのはそのクオリティであり、ルートセットの重要性や独自性・創造性といったものが求められ、ルートセッターの技術アップが必至です。その対価も上がっていくことでしょう。そして、よりクオリティが高くなるにつれ、基盤になる選手達のスキルアップ(技術はもちろん、メンタルや対応力向上)は確実です。
またTonde氏は、ジムにおいて同じ課題を何週間も1ヶ月もトライし続けることはあまり有益ではなく、次々に異なるタイプの課題に取り組み、新しいムーブ、動きを試していくべきだと言っていました。これは前述したことと同様、ジムのホールド替えが年に数回というのが慣例になりつつあり、多くのクライマーは同じ壁で長い期間トレーニングをしていかなければならないということが、それを誘発している大きな原因の一つであるとも考えられます。
ということは、頻繁にルートセットを繰り返すことが必要になります。これに対する解決策は各々のジム経営者が知恵を絞っていかなければならないことです。個人的には頻繁にルートセットができれば、ジムの経営に対するメリットはデメリットを凌ぐと考えておりますが。それが可能になれば、日常から思い切ったルートセットができるようになり、ジム側はルートセットの何が重要なのかを考え、セッターは知恵を絞り、アイデアを常に創造しくようになります。そのクオリティ高い壁で日常からトレーニングできる選手達は、多くの異なるタイプの課題への取り組みが可能になり、スキルアップが容易になるはずです。
今回の講習会は、ただ単に選手達のスキルアップだけではなく、皆の弱点を知ることにより、実に様々な側面からクライミング業界の在り方を考えさせられる取り組みでした。もちろん考えるだけではなく、広い舞台で活躍するTonde氏とのコミュニケーションによって得られたものや、選手間でも同じようなコミュニケーションがあっただろうことも、非常に有意義だったと思います。
私にとっては、今まで当たり前だと思っていたことに対する疑問、アイデアを具現化する良いきっかけになりました。
この機会を与えてくださった皆様には、本当に本当に心から感謝しております。
マーブーブログの記事、転載。
2011.10.16 Sunday | category:COMPETITION
代表合宿セットに関する話題であったので、まとめる為にこちらに転載しておくことにする。
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今年は本当に沢山のことを学んでいる年で、僕の中の変化も一つの道に集約されつつあります。
約5年、2時間利用と延長、そして月間パスという営業体制でやってきました。
また、ホールド替えは年2回、テープ課題、ファイル課題、という形式で皆様にご利用いただいています。
時間制利用に関するメリットやデメリット、そしてホールド替えや普段の施設利用に関するメリット・デメリット。さすがにこれだけの時間をジムのシステムテストに費やしていれば、見えてくるものもあります。
今回の数日間、ワールドカップで活躍するルートセッターと共に、日本代表選手たちの為の壁のセットをしてきました。
そこで交わした多くの情報は、僕が以前から悩んでいたことを解決し、より多くの素晴らしい未来を予感させるものでした。未来は明るい。
今の乱立し、システムについて何の疑いも抱かないクライミングジムの流れに、新たな未来へのテストピースとして、マーブーは常にチャレンジしていきたい。
もちろん、マーブーが商業的に成功すること。それと、お客様がクライマーとしてより良い方向へ成長していける最高のシステムとの絶妙なバランスを狙っていくこと。これが永遠の課題で、理想に限りなく近づいていける進化を、常に目指して変わっていかなければならないと思っています。
遠くの未来において変わっていかなければならないことは、クライミングに携わる誰もが予感していることでもあり、しかし誰もが変わろうとしていないことでもあります。
完全にジムを経営している人間の視点での話でごめんなさいね。
で、年明けあたりから、大規模なマーブーの営業システムの変身を考えています。
常にリスクに挑戦していけるように、基盤を変えて取り組む為に、です。
今はそれに向けて、様々なシュミレーションをしている最中です。
今の体制に慣れているお客様には少しの戸惑いをさせてしまうかもしれませんが、こんな僕の考えを身をもって伝え、理解してもらい、皆で新しいことに挑戦し成長していけるスペースを作れるよう、骨を埋める覚悟でこれからも頑張ります。
って、抽象的すぎて何がなんだかわからないかもしれませんが、今月中には、その新しい変化の第1弾について発表する予定で動いていますので、それまではしばしお待ちを。
BWCルートセットその3
2011.10.16 Sunday | category:COMPETITION
さて、2日目までは疲れてはいたもののなんとかブログを書くことができたけど、3日目4日目はmacに電源を入れることすらできない疲れ具合。
3日目は1日目と2日目の行程を1日でやらなければならない超ハードスケジュール。
作成課題はWCセミファイナル想定課題をmen x 4、women x 4に加え、レッドポイント用ハード課題が3課題ずつの6課題、合わせて14課題。
実際、いつものルートセットの仕事の場合、多いときは1日で30課題以上つくるから、数でいうとそんなに大変じゃない。
けど、これがWCセミファイナルとなると、そうは簡単にセットできない。
集合時間より早く現場に到着し、ボリュームのセットから始める。
ちょうど一つ目のボリュームを付けた時にTondeが来て、そのままの流れで作業開始。
前日までのセットでは、Tondeのプランに合わせてボリュームやホールドを選んでセットしていく形だったが、今日は時間が無いのと、昨日までのセットとは大幅に内容を返るということで、逆の方法でセットしていく。
まずはボリュームをつけ、その後で課題をどの場所にどういうものを作るかディスカッションしながら決めていく。
ボリュームをセットする時に指示されたことは一つだけ。
「一目見て、かっこいい!と思うようにつけろ」
どこそこに付けろって指示される方がよっぽど簡単で、こういう指示が一番難しいのは誰でもわかると思うけど、でも、Tondeいわく、これが僕らセッターの個性を出し、そこからアイデアが生まれ、すばらしい課題になる、とのこと。
Tondeは一人で全てのジャンルの課題を作れる最強のチーフセッターでありながら、他人の目やアイデアを常に吸収している。僕がボリュームを一つつける度に、すぐにイメージが出来上がっていくみたいで、その後の進捗が異常なほど速い。本当に心から尊敬する。
そうこうしているうちに、千葉監督が加わり、だいたいのボリュームのセットが終了。
その頃、Vertのタッキーが到着し、付けたボリュームとTondeや僕らのアイデアを出し合ってしばしディスカッション。
その後、各プランに沿って、割り当てられたパートのセットに入る。
各パートのセットが完了したら、あとは皆で登りながら課題を調整、確定していく。
セットした課題は、
難解なマントル
ボリュームをうまく使った混乱を誘うスラブ課題
強烈に体幹を使うカチ課題
厳しいダイヒードロからのダイノ
不自然なレイバックからのダイノ
チェンジコーナー
スーパーパワフルなダブルカンテ
遠目なダイナミック課題
ボリュームマントルからのレイバック
細かいホールドをバランシーにつなぐ垂壁
左右レイバックが交互に連続する課題
こんな感じだった。
1日目と対照的に、ある程度ホールドを保持する傾向が強いものが多かった。
Tondeはちょっとしたことでも妥協しない。
この日よく言っていた(実はあとからかなり調整した部分もだけど)主にスタート位置のフットホールドが全体的に大きすぎるということ。
悪くする、ということではなく、小さくする、ってことで、小さくてもそこそこ踏めて、なおかつそのルートと同じ色のホールドを探すのはかなり困難だった。
それでも、出していく案はことごとく却下され、結局は彼のプライベートコレクションの中から使用することになった。
スタートポジションから、選手を精神的に揺さぶる。
ホールドが大きいと、選手は適当に足を置く。WC選手だろうが一般のクライマーだろうが変わらない。大きいと適当に処理してしまうことがいけないということだった。
小さければ、踏むポイントを探るし、なおかつネガティブだったら精神的にも緊張するし、力も入ってしまう。
選手は、こういう小さな動揺や過度なパワーをコントロールしていくことが必要だと。
そう思っている以上、スタートのフットホールド選びには決して妥協が無いのだろうと思う。
同じように、ボリュームにも極力何も付けない。
ホールドを付けてポジティブにするよりも、ボリュームの位置や角度を変更してポジティブにすることをまず選ぶ。
ホールドを付けるということは、そこを持つ(もしくは踏む)というヒントになる。何もついていないボリュームはどこを持つのか、どういうムーブを起こすのかを想像することを困難にする。
フットホールドと同様、この点においても妥協は皆無で、満足するまで繰り返し繰り返しセッティングを変更していく。
一つの課題をこんなにも煮詰めて作ったことがあるだろうか。
煮詰めたとしても、煮詰めた気になっていただけじゃないだろうか。
おかげで帰宅したときには体は正真正銘の、ぼろぼろ。ばたんきゅー
翌日から日本代表の合宿が行われ、僕は夜からお手伝いに行った。
渋滞のせいでかなり遅れてしまったが、2日目用のホールドを付け、多少の微調整をやり、今回の僕の役は無事に全て終了。
そのTonde、どうやらジャパンカップのセットにもチーフとして来るようだ。
彼は僕にその時に一緒にセットしようと言ってくれたけど、それが叶うかどうかはまだ分からない。
何せ、Tondeがセットに来るかどうかも未確定だし。
でも、ジャパンカップまでにまだ2回はコンペのセットができる。もしかしたらまた一緒にセットできるかもしれないという希望を持って、次に合うときにもっともっと進化したセットを見てもらえるように、「より細かい部分に拘り、妥協しないセット」をしていくとともに、「常に新しい試み」をしていこう。
Tondeいわく、選手にとってリスキーな課題は、コンペをすごく盛り上げる。
それは同時にセッターにとってもとてもリスキーなことだけど、それを恐れては良いセットはできない。
そして、来週の日本選手権もTondeがチーフとしてセットするようだ。
今年はTondeに日本中の有力クライマーがあっと言わされることだろうと思う。
3日目は1日目と2日目の行程を1日でやらなければならない超ハードスケジュール。
作成課題はWCセミファイナル想定課題をmen x 4、women x 4に加え、レッドポイント用ハード課題が3課題ずつの6課題、合わせて14課題。
実際、いつものルートセットの仕事の場合、多いときは1日で30課題以上つくるから、数でいうとそんなに大変じゃない。
けど、これがWCセミファイナルとなると、そうは簡単にセットできない。
集合時間より早く現場に到着し、ボリュームのセットから始める。
ちょうど一つ目のボリュームを付けた時にTondeが来て、そのままの流れで作業開始。
前日までのセットでは、Tondeのプランに合わせてボリュームやホールドを選んでセットしていく形だったが、今日は時間が無いのと、昨日までのセットとは大幅に内容を返るということで、逆の方法でセットしていく。
まずはボリュームをつけ、その後で課題をどの場所にどういうものを作るかディスカッションしながら決めていく。
ボリュームをセットする時に指示されたことは一つだけ。
「一目見て、かっこいい!と思うようにつけろ」
どこそこに付けろって指示される方がよっぽど簡単で、こういう指示が一番難しいのは誰でもわかると思うけど、でも、Tondeいわく、これが僕らセッターの個性を出し、そこからアイデアが生まれ、すばらしい課題になる、とのこと。
Tondeは一人で全てのジャンルの課題を作れる最強のチーフセッターでありながら、他人の目やアイデアを常に吸収している。僕がボリュームを一つつける度に、すぐにイメージが出来上がっていくみたいで、その後の進捗が異常なほど速い。本当に心から尊敬する。
そうこうしているうちに、千葉監督が加わり、だいたいのボリュームのセットが終了。
その頃、Vertのタッキーが到着し、付けたボリュームとTondeや僕らのアイデアを出し合ってしばしディスカッション。
その後、各プランに沿って、割り当てられたパートのセットに入る。
各パートのセットが完了したら、あとは皆で登りながら課題を調整、確定していく。
セットした課題は、
難解なマントル
ボリュームをうまく使った混乱を誘うスラブ課題
強烈に体幹を使うカチ課題
厳しいダイヒードロからのダイノ
不自然なレイバックからのダイノ
チェンジコーナー
スーパーパワフルなダブルカンテ
遠目なダイナミック課題
ボリュームマントルからのレイバック
細かいホールドをバランシーにつなぐ垂壁
左右レイバックが交互に連続する課題
こんな感じだった。
1日目と対照的に、ある程度ホールドを保持する傾向が強いものが多かった。
Tondeはちょっとしたことでも妥協しない。
この日よく言っていた(実はあとからかなり調整した部分もだけど)主にスタート位置のフットホールドが全体的に大きすぎるということ。
悪くする、ということではなく、小さくする、ってことで、小さくてもそこそこ踏めて、なおかつそのルートと同じ色のホールドを探すのはかなり困難だった。
それでも、出していく案はことごとく却下され、結局は彼のプライベートコレクションの中から使用することになった。
スタートポジションから、選手を精神的に揺さぶる。
ホールドが大きいと、選手は適当に足を置く。WC選手だろうが一般のクライマーだろうが変わらない。大きいと適当に処理してしまうことがいけないということだった。
小さければ、踏むポイントを探るし、なおかつネガティブだったら精神的にも緊張するし、力も入ってしまう。
選手は、こういう小さな動揺や過度なパワーをコントロールしていくことが必要だと。
そう思っている以上、スタートのフットホールド選びには決して妥協が無いのだろうと思う。
同じように、ボリュームにも極力何も付けない。
ホールドを付けてポジティブにするよりも、ボリュームの位置や角度を変更してポジティブにすることをまず選ぶ。
ホールドを付けるということは、そこを持つ(もしくは踏む)というヒントになる。何もついていないボリュームはどこを持つのか、どういうムーブを起こすのかを想像することを困難にする。
フットホールドと同様、この点においても妥協は皆無で、満足するまで繰り返し繰り返しセッティングを変更していく。
一つの課題をこんなにも煮詰めて作ったことがあるだろうか。
煮詰めたとしても、煮詰めた気になっていただけじゃないだろうか。
おかげで帰宅したときには体は正真正銘の、ぼろぼろ。ばたんきゅー
翌日から日本代表の合宿が行われ、僕は夜からお手伝いに行った。
渋滞のせいでかなり遅れてしまったが、2日目用のホールドを付け、多少の微調整をやり、今回の僕の役は無事に全て終了。
そのTonde、どうやらジャパンカップのセットにもチーフとして来るようだ。
彼は僕にその時に一緒にセットしようと言ってくれたけど、それが叶うかどうかはまだ分からない。
何せ、Tondeがセットに来るかどうかも未確定だし。
でも、ジャパンカップまでにまだ2回はコンペのセットができる。もしかしたらまた一緒にセットできるかもしれないという希望を持って、次に合うときにもっともっと進化したセットを見てもらえるように、「より細かい部分に拘り、妥協しないセット」をしていくとともに、「常に新しい試み」をしていこう。
Tondeいわく、選手にとってリスキーな課題は、コンペをすごく盛り上げる。
それは同時にセッターにとってもとてもリスキーなことだけど、それを恐れては良いセットはできない。
そして、来週の日本選手権もTondeがチーフとしてセットするようだ。
今年はTondeに日本中の有力クライマーがあっと言わされることだろうと思う。
BWCルートセットその2
2011.10.12 Wednesday | category:COMPETITION
さて、今日はルートセットの2日目。
昨日のアイデアからセットしたボリュームを使って、課題にしていく作業。
セットの基盤はできているから、実際に課題にしてく部分はいつものコンペ用セットと大して変わらない。
もちろん勉強になったことは多い。
例えば、部分的に変更する場合は、がっつりやった方がわかりやすいし効果があるし、一発で決まることが多い。とか。
基本的に手を変えていくのではなく、足を変えていく、とか。もちろん課題によるんだけど。
でも、そんなことはまあそんなに重要じゃない。ダズンマター
重要なのはシンプルイズベストってこと。
ムーブのことじゃないよ、見た目のこと。
カラーももちろんシンプルに、わかりやすく。ごちゃごちゃするのはあんまり良くない
なぜって?
その革新的な理由はもうもったいなくてここじゃ説明できないぜ
てことで、また明日、がんばんべ
昨日のアイデアからセットしたボリュームを使って、課題にしていく作業。
セットの基盤はできているから、実際に課題にしてく部分はいつものコンペ用セットと大して変わらない。
もちろん勉強になったことは多い。
例えば、部分的に変更する場合は、がっつりやった方がわかりやすいし効果があるし、一発で決まることが多い。とか。
基本的に手を変えていくのではなく、足を変えていく、とか。もちろん課題によるんだけど。
でも、そんなことはまあそんなに重要じゃない。ダズンマター
重要なのはシンプルイズベストってこと。
ムーブのことじゃないよ、見た目のこと。
カラーももちろんシンプルに、わかりやすく。ごちゃごちゃするのはあんまり良くない
なぜって?
その革新的な理由はもうもったいなくてここじゃ説明できないぜ
てことで、また明日、がんばんべ
BWCルートセットその1
2011.10.11 Tuesday | category:COMPETITION
今日からの3日間はライムストーンクライミングクラブにてルートセット手伝いの勉強。
仕事じゃなく、勉強。
日本代表の特別合宿で使用する課題のセット。
ボルダリングワールドカップでセッターを務める国際A級ルートセッターのTonde氏の手伝い、という名目。
オーガナイズは全て氏が行う。
まずはアイデア出し。
たぶんこのプロセスが一番大事なんだと思う。
できるか、できないかは二の次。
ムーブ、というか、動き、というか、盛り上がる課題の基軸となるアイデアを出し、そのアイデアを元にしてボリュームを付けていく。
ほぼ全てのアイデアは氏が以前よりプランニングしていたので、それを元に。
僕も1課題アイデアを出させてもらった。
そんなこんなで、アイデアを少しだけ形にして初日は終了。
今思いつく限りで、自分で勉強になったと思ったことを書き出しておく。
主役の選手が、いかにかっこ良い動きができるか、いかに観客をあっと驚かせることができるか、そして、いかに観客に選手をヒーローだと思わせられるか。
セッターはヒーローが格好良い姿を披露する「舞台」をつくるのが仕事。
良いアイデアも、一人の傲慢な決定では良い舞台にはならない。
みんなでディスカッションしながら、アイデアを具現化していかなければならない。
アイデアを形にする第一段階は、3分以内にやる。
これ以上時間をかけると、アイデアは歪んでしまい、ダメなループに陥る。
3分以内に具現化できない場合は、他の人に変わる。これが効率的で、良い舞台作りになる秘訣。
コンペ課題をグレーディングで分けない。矢印表記。↑・→・↓
全てはクオリティ重視。
意見の食い違い、羞恥心、独りよがり、傲慢なものはクオリティを落とす。
常にチーム全員がクオリティの高さを求めてディスカッションし、具現化していくことこそ、クオリティを高める唯一の方法。
ジムのテープ排除に関する興味深い話も聞いた。
アイデアの一例。
・トリプルジャンプ
・レッグダイノ
・ランニングジャンプ
・マントリング
・難解スクイーズ
・高難度デッドポイント
・マントリングジャンプ
などなど。
今回はコンペを対象としたルートセットなので、特に重要視している点は「リスキー」であること。
前述した通り、グレーディングをしないのだが、WCでもグレーディングしたらV6〜V8ぐらいだろうとのこと。
故に、保持力だとか、ムーブの難しさだとかは問題じゃなく、簡単だけどすごくリスキーなムーブだとか、何回かやればほとんどの人はできるけど、1回できたとしても、それが確実にできるようなものでないものだとか、そういうこと。
初日はアイデアの具現化の第一段階のみだったので、このようなことだった。
明日からは実際に形にしていく作業に入る。
このようにリストアップしていくと、僕がマーブーコンペで意識していることとWCでセッター達が頭を捻って悩むことは、もちろんレベルの差は大きいけど、あながち間違っていなかったと認識した。
クライマーに登ってもらいたい、クライマーに楽しんでもらいたい、お客さんに嫌われたくない、そういったセッターやジムオーナーの考え自体がイベントを失敗に導いてしまう現象は、もはや確定的だと思う。
「いかに見ている側の人間を意識し、いかにクライマーを英雄に仕立て挙げられるか」
コンペの成功にはセッター・運営のチーム全員がこの思考の共有が不可欠。
保持力で優劣を競う時代はとっくの昔に終わっているってことに気づかないのは愚かだと思う。
一瞬のチャンスをものにできるかできないか、そこで優劣を決められるコンペを開催することができれば、観客は驚き興奮し、クライミング競技を見ることに幸せと楽しみを覚えるだろうし、選手は自分のコンセントレーション能力やコーディネーションに対する意識も変わり、失敗したことは大きな経験となり、成功したことは大きな自信となる。
結果的に、皆が懸念する「クライミング競技を観戦することにお金は払わない」ことからの脱却につながるのではないだろうか。
そして、収入源が確保されれば、さらに課題やイベントのクオリティが上がるのは必然的で、なぜお金を取るイベントとならないのかを、日本人の先天的な性格に決めつけるのではなく、イベント自体に対する考え方を大きく方向転換しなければならないのではないだろうか。
後半は独りよがりな感想になってしまったが、初日だけでもとても多くの有意義な勉強ができたし、また何か自分の中に一本の柱を得ることができた。
本当に、明日からの2日間がさらに楽しみでしょうがない。
仕事じゃなく、勉強。
日本代表の特別合宿で使用する課題のセット。
ボルダリングワールドカップでセッターを務める国際A級ルートセッターのTonde氏の手伝い、という名目。
オーガナイズは全て氏が行う。
まずはアイデア出し。
たぶんこのプロセスが一番大事なんだと思う。
できるか、できないかは二の次。
ムーブ、というか、動き、というか、盛り上がる課題の基軸となるアイデアを出し、そのアイデアを元にしてボリュームを付けていく。
ほぼ全てのアイデアは氏が以前よりプランニングしていたので、それを元に。
僕も1課題アイデアを出させてもらった。
そんなこんなで、アイデアを少しだけ形にして初日は終了。
今思いつく限りで、自分で勉強になったと思ったことを書き出しておく。
主役の選手が、いかにかっこ良い動きができるか、いかに観客をあっと驚かせることができるか、そして、いかに観客に選手をヒーローだと思わせられるか。
セッターはヒーローが格好良い姿を披露する「舞台」をつくるのが仕事。
良いアイデアも、一人の傲慢な決定では良い舞台にはならない。
みんなでディスカッションしながら、アイデアを具現化していかなければならない。
アイデアを形にする第一段階は、3分以内にやる。
これ以上時間をかけると、アイデアは歪んでしまい、ダメなループに陥る。
3分以内に具現化できない場合は、他の人に変わる。これが効率的で、良い舞台作りになる秘訣。
コンペ課題をグレーディングで分けない。矢印表記。↑・→・↓
全てはクオリティ重視。
意見の食い違い、羞恥心、独りよがり、傲慢なものはクオリティを落とす。
常にチーム全員がクオリティの高さを求めてディスカッションし、具現化していくことこそ、クオリティを高める唯一の方法。
ジムのテープ排除に関する興味深い話も聞いた。
アイデアの一例。
・トリプルジャンプ
・レッグダイノ
・ランニングジャンプ
・マントリング
・難解スクイーズ
・高難度デッドポイント
・マントリングジャンプ
などなど。
今回はコンペを対象としたルートセットなので、特に重要視している点は「リスキー」であること。
前述した通り、グレーディングをしないのだが、WCでもグレーディングしたらV6〜V8ぐらいだろうとのこと。
故に、保持力だとか、ムーブの難しさだとかは問題じゃなく、簡単だけどすごくリスキーなムーブだとか、何回かやればほとんどの人はできるけど、1回できたとしても、それが確実にできるようなものでないものだとか、そういうこと。
初日はアイデアの具現化の第一段階のみだったので、このようなことだった。
明日からは実際に形にしていく作業に入る。
このようにリストアップしていくと、僕がマーブーコンペで意識していることとWCでセッター達が頭を捻って悩むことは、もちろんレベルの差は大きいけど、あながち間違っていなかったと認識した。
クライマーに登ってもらいたい、クライマーに楽しんでもらいたい、お客さんに嫌われたくない、そういったセッターやジムオーナーの考え自体がイベントを失敗に導いてしまう現象は、もはや確定的だと思う。
「いかに見ている側の人間を意識し、いかにクライマーを英雄に仕立て挙げられるか」
コンペの成功にはセッター・運営のチーム全員がこの思考の共有が不可欠。
保持力で優劣を競う時代はとっくの昔に終わっているってことに気づかないのは愚かだと思う。
一瞬のチャンスをものにできるかできないか、そこで優劣を決められるコンペを開催することができれば、観客は驚き興奮し、クライミング競技を見ることに幸せと楽しみを覚えるだろうし、選手は自分のコンセントレーション能力やコーディネーションに対する意識も変わり、失敗したことは大きな経験となり、成功したことは大きな自信となる。
結果的に、皆が懸念する「クライミング競技を観戦することにお金は払わない」ことからの脱却につながるのではないだろうか。
そして、収入源が確保されれば、さらに課題やイベントのクオリティが上がるのは必然的で、なぜお金を取るイベントとならないのかを、日本人の先天的な性格に決めつけるのではなく、イベント自体に対する考え方を大きく方向転換しなければならないのではないだろうか。
後半は独りよがりな感想になってしまったが、初日だけでもとても多くの有意義な勉強ができたし、また何か自分の中に一本の柱を得ることができた。
本当に、明日からの2日間がさらに楽しみでしょうがない。
エナ魂。
2011.07.03 Sunday | category:COMPETITION
先週の日曜日はエナジー浦和店のコンペ。
エナジーの年1回のお祭りがこのエナ魂。
色々なコンペが全国各地で開催されるようになったおかげで、年々エナジーらしさが見てとれるようになっていると感じた。あの雰囲気。すばらしい。
もう何回目になるかな、エナ魂。実は何度も足を運んだことがあっても、出場は今回が初めてという。。。
今回はCCPの今年モデルのショート丈Tシャツに、ROKXのATHLETIC PANT(NAVY)を着させて頂いて参戦しましたよ。
やっぱりアスレチックパンツは最高。
梅雨明けしてもまだジメジメしてたこの日なんか、やっぱりショーツの方がよかったかなーとか思っちゃったけど、いやいや全然、アスレチックパンツで問題ナッシング。
しかも、このパンツ履いた時で決勝行けなかったことないし、最高のクライミングパンツだぜ
えー、ま、結果は、予選7位通過で総合6位っていうすごーく中途半端な感じですが。
それでも決勝に行けなかった沢山のクライマーに勝ったからよしとしよう(上は見ない。見ない。)
写真のせるで
この課題、ミドルクラスと共有の課題だったんだけど、できませんでした。もう、何が自分の弱点なんだかわからんち。絶対得意系だと思ったのにな
すいへき。大好き。すげー無理やり行った。
なんか、足送ろうと思ったんだけど、足送ったら、なんか一番楽しいムーブが台無しって感じだと思ったような、そんな余裕なかったような
アスレチック最高!
結構この写真は好き。
シニアのクラスで優勝したおとうさんが、なんと動画を撮っててくれた。
自分のコンペの動画って見るの初めてでドキドキした。
色々反省点があるなー。動画ってすごいね。
で、1つのムービーに編集して、ROKXに送るバージョンを作ったので、アップしませそ
自分ではめちゃ盛り上げてヤッタ的に満足してたんだけど、動画見ると、そんなでもなかったんね、、、
次回はもっとがんばろ
エナジーの年1回のお祭りがこのエナ魂。
色々なコンペが全国各地で開催されるようになったおかげで、年々エナジーらしさが見てとれるようになっていると感じた。あの雰囲気。すばらしい。
もう何回目になるかな、エナ魂。実は何度も足を運んだことがあっても、出場は今回が初めてという。。。
今回はCCPの今年モデルのショート丈Tシャツに、ROKXのATHLETIC PANT(NAVY)を着させて頂いて参戦しましたよ。
やっぱりアスレチックパンツは最高。
梅雨明けしてもまだジメジメしてたこの日なんか、やっぱりショーツの方がよかったかなーとか思っちゃったけど、いやいや全然、アスレチックパンツで問題ナッシング。
しかも、このパンツ履いた時で決勝行けなかったことないし、最高のクライミングパンツだぜ
えー、ま、結果は、予選7位通過で総合6位っていうすごーく中途半端な感じですが。
それでも決勝に行けなかった沢山のクライマーに勝ったからよしとしよう(上は見ない。見ない。)
写真のせるで
この課題、ミドルクラスと共有の課題だったんだけど、できませんでした。もう、何が自分の弱点なんだかわからんち。絶対得意系だと思ったのにな
すいへき。大好き。すげー無理やり行った。
なんか、足送ろうと思ったんだけど、足送ったら、なんか一番楽しいムーブが台無しって感じだと思ったような、そんな余裕なかったような
アスレチック最高!
結構この写真は好き。
シニアのクラスで優勝したおとうさんが、なんと動画を撮っててくれた。
自分のコンペの動画って見るの初めてでドキドキした。
色々反省点があるなー。動画ってすごいね。
で、1つのムービーに編集して、ROKXに送るバージョンを作ったので、アップしませそ
自分ではめちゃ盛り上げてヤッタ的に満足してたんだけど、動画見ると、そんなでもなかったんね、、、
次回はもっとがんばろ
マーブーダイナマイト!! Vol,1 VSニシミヤ
2011.07.02 Saturday | category:COMPETITION
もうあの熱狂から2週間が経過しました。
時間が無くてなかなかアップできなかったなぁ。
「マーブーダイナマイト!!」は、ある月のfriday nightに開催する、名前こそ間の抜けた感じではあるけども内容は本格派ボルダリングコンペティションで、マーブーコンペやBLoC、チーム戦の経験を経て、僕が兼ねてからやりたかった定例イベントです。
自分が選手の立場に立ち、ジムの利用者の観点から、こんなイベントがあったら心から嬉しいと思えること。
それがこのマーブーダイナマイト。
参加の敷居が低く、全員が一体となれる人数の小規模イベントだけれども、準備や内容は凝りに凝って、ワールドカップのルールにのっとった公式コンペと変わらない本格的なボルダリングコンペ。
この詳細はマーブーダイナマイト公式ブログをご参照アレ。
マーブーダイナマイト!!
http://maboo-compe.jugem.jp/
公式ブログにはコンセプトとして、参加する選手に向けたメッセージを書いてますが、このイベントの大きな目標はそれだけじゃない。
実は運営・企画のコンセプトの根本は、「見て楽しめるコンペ」。
この小規模なイベントで観覧者からお金をもらえるとは到底思ってはいないが、「お金を払ってでも見たい」と思わせるイベント作りが本当の目的で企画したのでござんす。
よって、主催の僕からすると、本当の主役は見に来ているお客さん達。
そのお客さん達が、ルールをすぐに理解でき、選手達のドラマティックなパフォーマンスに感動してもらえるようにしたかった。
ただ単に一種の草コンペの枠を思いっきり超えた次元にもっていけてこそ、このコンペの価値があると考えています。
前置きはこの辺にして、第1回のマーブーダイナマイトについて。
コンペの詳細はマーブーお知らせブログに掲載したのでそちらを見てもらうとして、主催側の立場からの裏話?などを。
マーブーお知らせブログ
MABOO DYNAMITE Vol.1 終了!!の記事
http://info.maboo.jp/?eid=841
すでに2週間経過してしまったので、その時のリアルな興奮はどこかへ行ってしまいましたが、それでもあの感動は忘れられない。
前述した通り、内容は「本格派コンペティション」であるからして、参加選手達には思いっきり緊張してほしかった。
いつもならベルトコンベアでもアイソレーションを設けて、裏方も選手も結構身近な感じで運営するんだけど、今回は壁一面をブルーシートで覆い、準備中は選手との接触を極力無くした。
それでも参加選手は普段マーブーで一緒に登る顔見知りばかりだもんで、いつもどおりの和気藹々とした雰囲気。
ここは一発、みんなに緊張してもらおうと、競技説明をバッチリ真面目の笑い無しでやるつもりで、マイクを手に取り、アイソレーションへ。
「あー、あー、では、競技説明します・・・」
と言ったそばから、選手全員がガバッと僕を振り返る。
その顔から笑いは消え、目が真剣。
うひゃあ。
すでに緊張しまくってるしー
緊張の競技説明
どうやら、ブルーシート作戦やウォーミングアップエリアを狭くした作戦、スタッフの緊張感やらが伝わったようで、かなりガチガチに緊張しちゃってたみたい。
思わぬ誤算。
みんな普段はおっとりしてるけど、やるときゃやるね。さすがマブラー。
この時点ですでに僕としては感動しちゃってたわけだけど。
一番プレッシャーを感じてたはず?
競技説明が終わり、準備も完了、僕の興奮もすでに絶調。
スタートの合図と同時に、ミキサー全開!!
と思いきや、事前にマークしていたフェーダーの目盛りも忘れて全開にしちゃったもんだから、いきなりスピーカーの音が割れる割れる。反省。
大活躍してくれた802
予選開始。
予選はベルトコンベアでの競技だったんだけど、選手が壁を見れないので、声援が飛ばずに盛り上がりにかけてしまうんじゃないかっていう不安があった。
でも、予想以上に観客が来ていたこともあるし、準備に時間をかけて、少しでも演出が効いていたのかもしれないが、僕の不安は思い過ごしとなった。
予選の間は、慣れないMCをやりつつ、スコアシートをリザルトに落とし込む作業を同時進行。
これはすごく良い勉強になった。手を動かしながらも結構しゃべれるもんだ。
そしてMC。人前でしゃべることが苦手な僕は、もうぜんぜん自信なくて、今回のイベントで一番不安だった部分でもあるんだけど、中盤からしゃべるのが楽しくなってきてしまって、意外とソコソコのMCができるようになった。
やっぱり勢いだな。なんでも勢いでやってみることが大事だ。
いつぞやの加須のワールドカップのMCよりもはっきり言って全然よかったと思う。自画自賛?実際、どうでした?
実はこの写真が一番好きだったりする
予選のセットには反省点が残ったものの、アテンプト差で優勝候補が予選落ちしたり、まさかの順位が出て、これはこれでなかなかの番狂わせ。
セッターの色が課題づつ出ていて、とにかく見ていて面白かった。
観客の人はもちろん、参加選手の全員を知っているわけではないから、この順位に関して驚きがあったかどうかはわからない。
これを面白い結果!とわかってもらえるには、それなりに参加選手の情報をMCで伝えるor事前情報をWEBに公開するなどして、観客に色々な情報を読み取ってもらい、それもコンペの醍醐味だということを感じてもらえるような手段が今後必要になるだろうとも思った。
大緊張の競技前
後ろでは前の選手が競技中
落ちても拍手喝采、これぞパフォーマー
予選後半は競技終了した選手も交えて大声援のお祭り騒ぎ
さて、激動の決勝準備を終え、最終決戦。
リザルトに集まる表情には喜びと落胆
決勝はオンサイトのサドンデス方式。これはワールドカップと違うけど、でも、見ている方としてはこっちのほうが楽しいんじゃないかな。わかり易いし。どうでしょ?
もちろん選手としても、緊張が抜けなくて楽しい、と、僕は思っているんだけど。そう考えると山梨カップのルールは本当に楽しかったなぁ。
大穴で大活躍だったノスケ
この人ももちろん盛り上げに一役かってくれました
そのルールの落とし穴にハマったのが今ヘルニアで入院中のラオウ。VSになるとそのプレッシャーもハンパじゃない様子で、その場にいた全員が驚いたまさかの1回戦落ち。僕も例外じゃない。ヘルニアさえ無ければ、翌日から猛特訓だったんじゃないかな。今は病院のベットで猛反省、かな。早く元気になってください。
ラオウ
見事な登りを披露したバナン
ミニマミストもコンペ経験アップですな
そしてこの人。
NACUPの悔しさを見事に晴らしました
(株)指ミサイルホールド 代表取締役 社長
そうこうして決勝が終了。
決勝の反省点はライトアップ。
今まで使っていたのと同じ投光機を使ったんだけど、光が拡散しすぎて微妙にかっこわるかった。
写真を写すのにもかなり苦労してたみたいだし、次回からはライトの導入を要検討だ。
コンペも無事終了して、この2週間のお客さん達の動向を見ていると、参加して自分の短所を発見して弱点を克服しようと頑張っている選手はもちろんだけど、それよりも驚いて嬉しく思ったのは、観客として来ていたお客さん達のモチベーションがかなり上がってること。
自分が始めてみたコンペを思い出す。
実際にこの目でみたのは、相模原のストーンマジックで開催されたノースフェイスカップ。あの感動は今でも忘れられない。
御岳帰りにちょこっと寄ってみたあの空間では、自分が想像していたよりずっと高い次元のパフォーマンスが繰り広げられていて、それを見た瞬間から、このパフォーマンスは「見るべき価値がある」と思っている。
それがたぶん今日までのマーブーでのコンペやイベントに影響しているんだろう。
あの、ノースフェイスカップの衝撃と同じような感動を、今回ダイマナイトを見に来たお客さんが感じてくれていて、もっと強くなって、あの舞台に立ってみたい、あの舞台で登ってみたい、と思ってくれたことが、本当に心から嬉しい。
様々な反省点が残った第1回マーブーダイナマイトであったわけだけれども、この一歩は僕にとってすごく有意義なものだった。
草コンペの歴史を塗り替えるような、次元の違うイベントを目指して、次回からもっともっとレベルアップしたイベントにしていこう。
時間が無くてなかなかアップできなかったなぁ。
「マーブーダイナマイト!!」は、ある月のfriday nightに開催する、名前こそ間の抜けた感じではあるけども内容は本格派ボルダリングコンペティションで、マーブーコンペやBLoC、チーム戦の経験を経て、僕が兼ねてからやりたかった定例イベントです。
自分が選手の立場に立ち、ジムの利用者の観点から、こんなイベントがあったら心から嬉しいと思えること。
それがこのマーブーダイナマイト。
参加の敷居が低く、全員が一体となれる人数の小規模イベントだけれども、準備や内容は凝りに凝って、ワールドカップのルールにのっとった公式コンペと変わらない本格的なボルダリングコンペ。
この詳細はマーブーダイナマイト公式ブログをご参照アレ。
マーブーダイナマイト!!
http://maboo-compe.jugem.jp/
公式ブログにはコンセプトとして、参加する選手に向けたメッセージを書いてますが、このイベントの大きな目標はそれだけじゃない。
実は運営・企画のコンセプトの根本は、「見て楽しめるコンペ」。
この小規模なイベントで観覧者からお金をもらえるとは到底思ってはいないが、「お金を払ってでも見たい」と思わせるイベント作りが本当の目的で企画したのでござんす。
よって、主催の僕からすると、本当の主役は見に来ているお客さん達。
そのお客さん達が、ルールをすぐに理解でき、選手達のドラマティックなパフォーマンスに感動してもらえるようにしたかった。
ただ単に一種の草コンペの枠を思いっきり超えた次元にもっていけてこそ、このコンペの価値があると考えています。
前置きはこの辺にして、第1回のマーブーダイナマイトについて。
コンペの詳細はマーブーお知らせブログに掲載したのでそちらを見てもらうとして、主催側の立場からの裏話?などを。
マーブーお知らせブログ
MABOO DYNAMITE Vol.1 終了!!の記事
http://info.maboo.jp/?eid=841
すでに2週間経過してしまったので、その時のリアルな興奮はどこかへ行ってしまいましたが、それでもあの感動は忘れられない。
前述した通り、内容は「本格派コンペティション」であるからして、参加選手達には思いっきり緊張してほしかった。
いつもならベルトコンベアでもアイソレーションを設けて、裏方も選手も結構身近な感じで運営するんだけど、今回は壁一面をブルーシートで覆い、準備中は選手との接触を極力無くした。
それでも参加選手は普段マーブーで一緒に登る顔見知りばかりだもんで、いつもどおりの和気藹々とした雰囲気。
ここは一発、みんなに緊張してもらおうと、競技説明をバッチリ真面目の笑い無しでやるつもりで、マイクを手に取り、アイソレーションへ。
「あー、あー、では、競技説明します・・・」
と言ったそばから、選手全員がガバッと僕を振り返る。
その顔から笑いは消え、目が真剣。
うひゃあ。
すでに緊張しまくってるしー
緊張の競技説明
どうやら、ブルーシート作戦やウォーミングアップエリアを狭くした作戦、スタッフの緊張感やらが伝わったようで、かなりガチガチに緊張しちゃってたみたい。
思わぬ誤算。
みんな普段はおっとりしてるけど、やるときゃやるね。さすがマブラー。
この時点ですでに僕としては感動しちゃってたわけだけど。
一番プレッシャーを感じてたはず?
競技説明が終わり、準備も完了、僕の興奮もすでに絶調。
スタートの合図と同時に、ミキサー全開!!
と思いきや、事前にマークしていたフェーダーの目盛りも忘れて全開にしちゃったもんだから、いきなりスピーカーの音が割れる割れる。反省。
大活躍してくれた802
予選開始。
予選はベルトコンベアでの競技だったんだけど、選手が壁を見れないので、声援が飛ばずに盛り上がりにかけてしまうんじゃないかっていう不安があった。
でも、予想以上に観客が来ていたこともあるし、準備に時間をかけて、少しでも演出が効いていたのかもしれないが、僕の不安は思い過ごしとなった。
予選の間は、慣れないMCをやりつつ、スコアシートをリザルトに落とし込む作業を同時進行。
これはすごく良い勉強になった。手を動かしながらも結構しゃべれるもんだ。
そしてMC。人前でしゃべることが苦手な僕は、もうぜんぜん自信なくて、今回のイベントで一番不安だった部分でもあるんだけど、中盤からしゃべるのが楽しくなってきてしまって、意外とソコソコのMCができるようになった。
やっぱり勢いだな。なんでも勢いでやってみることが大事だ。
いつぞやの加須のワールドカップのMCよりもはっきり言って全然よかったと思う。自画自賛?実際、どうでした?
実はこの写真が一番好きだったりする
予選のセットには反省点が残ったものの、アテンプト差で優勝候補が予選落ちしたり、まさかの順位が出て、これはこれでなかなかの番狂わせ。
セッターの色が課題づつ出ていて、とにかく見ていて面白かった。
観客の人はもちろん、参加選手の全員を知っているわけではないから、この順位に関して驚きがあったかどうかはわからない。
これを面白い結果!とわかってもらえるには、それなりに参加選手の情報をMCで伝えるor事前情報をWEBに公開するなどして、観客に色々な情報を読み取ってもらい、それもコンペの醍醐味だということを感じてもらえるような手段が今後必要になるだろうとも思った。
大緊張の競技前
後ろでは前の選手が競技中
落ちても拍手喝采、これぞパフォーマー
予選後半は競技終了した選手も交えて大声援のお祭り騒ぎ
さて、激動の決勝準備を終え、最終決戦。
リザルトに集まる表情には喜びと落胆
決勝はオンサイトのサドンデス方式。これはワールドカップと違うけど、でも、見ている方としてはこっちのほうが楽しいんじゃないかな。わかり易いし。どうでしょ?
もちろん選手としても、緊張が抜けなくて楽しい、と、僕は思っているんだけど。そう考えると山梨カップのルールは本当に楽しかったなぁ。
大穴で大活躍だったノスケ
この人ももちろん盛り上げに一役かってくれました
そのルールの落とし穴にハマったのが今ヘルニアで入院中のラオウ。VSになるとそのプレッシャーもハンパじゃない様子で、その場にいた全員が驚いたまさかの1回戦落ち。僕も例外じゃない。ヘルニアさえ無ければ、翌日から猛特訓だったんじゃないかな。今は病院のベットで猛反省、かな。早く元気になってください。
ラオウ
見事な登りを披露したバナン
ミニマミストもコンペ経験アップですな
そしてこの人。
NACUPの悔しさを見事に晴らしました
(株)指ミサイルホールド 代表取締役 社長
そうこうして決勝が終了。
決勝の反省点はライトアップ。
今まで使っていたのと同じ投光機を使ったんだけど、光が拡散しすぎて微妙にかっこわるかった。
写真を写すのにもかなり苦労してたみたいだし、次回からはライトの導入を要検討だ。
コンペも無事終了して、この2週間のお客さん達の動向を見ていると、参加して自分の短所を発見して弱点を克服しようと頑張っている選手はもちろんだけど、それよりも驚いて嬉しく思ったのは、観客として来ていたお客さん達のモチベーションがかなり上がってること。
自分が始めてみたコンペを思い出す。
実際にこの目でみたのは、相模原のストーンマジックで開催されたノースフェイスカップ。あの感動は今でも忘れられない。
御岳帰りにちょこっと寄ってみたあの空間では、自分が想像していたよりずっと高い次元のパフォーマンスが繰り広げられていて、それを見た瞬間から、このパフォーマンスは「見るべき価値がある」と思っている。
それがたぶん今日までのマーブーでのコンペやイベントに影響しているんだろう。
あの、ノースフェイスカップの衝撃と同じような感動を、今回ダイマナイトを見に来たお客さんが感じてくれていて、もっと強くなって、あの舞台に立ってみたい、あの舞台で登ってみたい、と思ってくれたことが、本当に心から嬉しい。
様々な反省点が残った第1回マーブーダイナマイトであったわけだけれども、この一歩は僕にとってすごく有意義なものだった。
草コンペの歴史を塗り替えるような、次元の違うイベントを目指して、次回からもっともっとレベルアップしたイベントにしていこう。
4/17 第4回 山梨カップ 2011
2011.04.18 Monday | category:COMPETITION
4/17は山梨県のクライミングジム天で、山梨カップに出場した。
着用したのは、先日購入したROKX ATHLETIC PANT (NAVY)と、ROKXコンペの時のセールで買わせて頂いたROKX YOSEMITE TEE。
セット疲れ抜けない体だったけども、震災の影響か参加者が少なくなってしまっている噂を聞いて、少しでもコンペの盛り上がりに貢献したかったのもあるし、なにより予選からベルトコンベアの大会だったのでリョーマと共にエントリー。
前日にウォーミングアップと題して、スミスと稲田君とダブルダイノの課題をトライ中、ホールドに指をぶつけて皮ベロンチョの大出血をかましてしまい、前日にあんまり派手なことするもんじゃないなと反省。
さて、当日。
いつもコンペで会う顔ぶれの山梨クライマー達。
滅多にない地元開催のコンペなので、みんないつもより元気いっぱいの様子で、とてもリラックスできる雰囲気だった。
セッターのヒラリー@LOST CANYONと、選手のネロ君@ACTIV-A
ベルトコンベアなので、ウォーミングアップは1時間弱、いつも通りデッドポイントのウォーミングアップをして、課題を作り、結構体を動かした。
それでも予選前半は緊張で体の動きが堅く、ウェルカム課題も意外と怪しい場所がいくつかあった。
1、2、3課題ときて、段々とグレードが上がってきた。
予選1課題目
予選。僕、リョーマ、(や)さん@PIRANIAと並んだオーダー。
予選2課題目
予選3課題目 後ろで牛乳が見つめている
本番は次、4課題目だろうと踏んで気合入れて望んだが、どう見ても得意系課題を、デマケーションに阻まれて取りこぼした。
最近特に力を入れてトレーニングしているようなムーブの連続で、オブザベしてみて絶対登れると確信した課題だっただけに、今回一番悔しかった課題。
予選4課題目
ここから、上の白いハリボテにいく
左足のスメアがデマケーション外で×。ビスに左足、右のclimb-tiの赤いスローパーに右足で飛び出せるほど余裕がなかった。
この課題は右手のスローパーの悪さに、つい腰が浮いてしまったことが大きな反省点だった。
しっかり保持して足を踏めればデマケーション外にスメアする必要もなかったはずだし、ほんの少しでも腰が入っていたのなら、あと10cmはそう遠くない距離だった。
あの一瞬の詰めの甘さは、すごく大きな反省点だ。
5課題目はどっかぶり課題だとわかっていたので、体力の無い自分には4課題目が勝負だったのに。
続く5課題目、トゥーフックが1回目でうまくかからなかったので、ムーブを修正。林さんを思い浮かべて、瞬間芸を試みた。
が、疲れている腕は引き付けをやめず、足がどんどん遠くなって、結局足が置ききれずにフォール。ムーブは全て読めていただけに、自分の体力の無さに反省。
5課題目。ミニマミストのお株を奪うムーブ。自分的にも、これが止まったのは驚きだった。
とりあえず予選は5位通過。
決勝は8名のサドンデス方式。事前オブザベ無し。
1課題目。
一番手のリョーマが2撃だったことを知っていたので、なんとかして1撃することに集中。
最後の1手が嫌なバランスからランジするムーブだったのを知った時点で、やべー落ちそう、と思った。
でも、ここで落ちたらもう体力が無い、いっちゃえーってことで、なんとか無事に1撃。
ギリギリ2課題目に進出。
決勝1課題目のリョーマ
同じく、ネロ君
同じく、僕
2課題目。
リョーマに自信を付けてもらって振り返りオブザベ。
見た感じ結構得意系。でも、簡単に登れない課題なはずだし、前の選手が登っていた時の声援から、上部に確信があることもわかってた。
ピンチxピンチからの逆足デッドで取りにいく黄色の悪いピンチ。ぴったり合わせて保持しなきゃ止まらない嫌なホールドだった。
人差し指がわずかに外れて、足が切れ、フォール。
あぁ。一撃逃したー。
体力ももはや限界に近いぞ。
最後の10秒前までずっと休み、1回のトライに賭けた。
前半思わぬところで落ちそうになったけど、なんとか持ち直して核心。
左手のピンチがさっきより持ててる気がして、黄色の悪ピンチも保持。かろうじて2撃。
リョーマに元気付けられる僕
決勝2課題目の僕
同じく、(や)さん
同じく、なひさん@ACTIV-A
結果、3名が完登して、3課題目に進出できた。
3課題目。
寝ても覚めても最後の課題。
この時点で、自分的には満足してた。このメンバーで、この体調で、よくここまで来た。3位で結構じゃないか。今日はいい日だ。あとは会場を盛り上げて、いい気分で帰ろう。
最終課題はルーフのトラバース課題だった。
どう見ても、苦手系。しかも体力残ってないし。
1撃できなきゃ完登は無理。
ダブルダイノから始まって、どかーんどかーん、見せ場連発の課題だった。
やっぱり、苦手だぁ
でも、どのホールドも今では買えない古いホールド、慣れ親しんだストーンエイジとテクニック。
持てる場所は完全にわかってた。
それが功を奏した部分もあったと思う。
でも、ダブルダイノから常にイッパイイッパイ。全ホールド、ムーブがギリギリで止まっている感じ。あぁ、力が無くなっていくー
いつもなら振られて落ちる場所も、今日は違った。
体のキレが良く、なるべく振られないように、ホールドの向きを考えて距離を測っていた気がする。
最後のテクニックのピンクスローパーへのランジ。足ピンチが離せずに、絶対に振られると分かっていたから、いざとなったら、左手をオレンジにお迎えして振られを抑えようと思いながら、右手のガストンで振られを抑えるように飛び出した。
気合で止めて、ぎこちなくマントルまで行って、無事、完登。
出し切ったー。
後に続く牛乳、和歌が完登できず、優勝となった。
テクニックのピンクスローパーへのランジを止めたとき
脇はわずかに開いてしまっていたが、腕を引き付けて重心が胸にあった為に振られを抑えられたと見える
決勝3課題目の牛乳
同じく、和歌
山梨県の国体選手を決める大会で優勝してしまったのはとても複雑な心境ではあったが、皆に褒められて素直に嬉しかった。
表彰状と優勝カップと、ROKX。
終始、和やかなムードでリラックスできたのもよかったと思うが、それでも予選の反省点は凄く多かった。
体調の悪い中で望んだ山梨カップだったけど、良かった点、悪かった点を考え直して、今後のトレーニングに組み込んでいこうと思う。
そして、マーブーの壁改造の必要性をまじまじと実感した。
応援してくださった皆様、ありがとうございました。
着用したのは、先日購入したROKX ATHLETIC PANT (NAVY)と、ROKXコンペの時のセールで買わせて頂いたROKX YOSEMITE TEE。
セット疲れ抜けない体だったけども、震災の影響か参加者が少なくなってしまっている噂を聞いて、少しでもコンペの盛り上がりに貢献したかったのもあるし、なにより予選からベルトコンベアの大会だったのでリョーマと共にエントリー。
前日にウォーミングアップと題して、スミスと稲田君とダブルダイノの課題をトライ中、ホールドに指をぶつけて皮ベロンチョの大出血をかましてしまい、前日にあんまり派手なことするもんじゃないなと反省。
さて、当日。
いつもコンペで会う顔ぶれの山梨クライマー達。
滅多にない地元開催のコンペなので、みんないつもより元気いっぱいの様子で、とてもリラックスできる雰囲気だった。
セッターのヒラリー@LOST CANYONと、選手のネロ君@ACTIV-A
ベルトコンベアなので、ウォーミングアップは1時間弱、いつも通りデッドポイントのウォーミングアップをして、課題を作り、結構体を動かした。
それでも予選前半は緊張で体の動きが堅く、ウェルカム課題も意外と怪しい場所がいくつかあった。
1、2、3課題ときて、段々とグレードが上がってきた。
予選1課題目
予選。僕、リョーマ、(や)さん@PIRANIAと並んだオーダー。
予選2課題目
予選3課題目 後ろで牛乳が見つめている
本番は次、4課題目だろうと踏んで気合入れて望んだが、どう見ても得意系課題を、デマケーションに阻まれて取りこぼした。
最近特に力を入れてトレーニングしているようなムーブの連続で、オブザベしてみて絶対登れると確信した課題だっただけに、今回一番悔しかった課題。
予選4課題目
ここから、上の白いハリボテにいく
左足のスメアがデマケーション外で×。ビスに左足、右のclimb-tiの赤いスローパーに右足で飛び出せるほど余裕がなかった。
この課題は右手のスローパーの悪さに、つい腰が浮いてしまったことが大きな反省点だった。
しっかり保持して足を踏めればデマケーション外にスメアする必要もなかったはずだし、ほんの少しでも腰が入っていたのなら、あと10cmはそう遠くない距離だった。
あの一瞬の詰めの甘さは、すごく大きな反省点だ。
5課題目はどっかぶり課題だとわかっていたので、体力の無い自分には4課題目が勝負だったのに。
続く5課題目、トゥーフックが1回目でうまくかからなかったので、ムーブを修正。林さんを思い浮かべて、瞬間芸を試みた。
が、疲れている腕は引き付けをやめず、足がどんどん遠くなって、結局足が置ききれずにフォール。ムーブは全て読めていただけに、自分の体力の無さに反省。
5課題目。ミニマミストのお株を奪うムーブ。自分的にも、これが止まったのは驚きだった。
とりあえず予選は5位通過。
決勝は8名のサドンデス方式。事前オブザベ無し。
1課題目。
一番手のリョーマが2撃だったことを知っていたので、なんとかして1撃することに集中。
最後の1手が嫌なバランスからランジするムーブだったのを知った時点で、やべー落ちそう、と思った。
でも、ここで落ちたらもう体力が無い、いっちゃえーってことで、なんとか無事に1撃。
ギリギリ2課題目に進出。
決勝1課題目のリョーマ
同じく、ネロ君
同じく、僕
2課題目。
リョーマに自信を付けてもらって振り返りオブザベ。
見た感じ結構得意系。でも、簡単に登れない課題なはずだし、前の選手が登っていた時の声援から、上部に確信があることもわかってた。
ピンチxピンチからの逆足デッドで取りにいく黄色の悪いピンチ。ぴったり合わせて保持しなきゃ止まらない嫌なホールドだった。
人差し指がわずかに外れて、足が切れ、フォール。
あぁ。一撃逃したー。
体力ももはや限界に近いぞ。
最後の10秒前までずっと休み、1回のトライに賭けた。
前半思わぬところで落ちそうになったけど、なんとか持ち直して核心。
左手のピンチがさっきより持ててる気がして、黄色の悪ピンチも保持。かろうじて2撃。
リョーマに元気付けられる僕
決勝2課題目の僕
同じく、(や)さん
同じく、なひさん@ACTIV-A
結果、3名が完登して、3課題目に進出できた。
3課題目。
寝ても覚めても最後の課題。
この時点で、自分的には満足してた。このメンバーで、この体調で、よくここまで来た。3位で結構じゃないか。今日はいい日だ。あとは会場を盛り上げて、いい気分で帰ろう。
最終課題はルーフのトラバース課題だった。
どう見ても、苦手系。しかも体力残ってないし。
1撃できなきゃ完登は無理。
ダブルダイノから始まって、どかーんどかーん、見せ場連発の課題だった。
やっぱり、苦手だぁ
でも、どのホールドも今では買えない古いホールド、慣れ親しんだストーンエイジとテクニック。
持てる場所は完全にわかってた。
それが功を奏した部分もあったと思う。
でも、ダブルダイノから常にイッパイイッパイ。全ホールド、ムーブがギリギリで止まっている感じ。あぁ、力が無くなっていくー
いつもなら振られて落ちる場所も、今日は違った。
体のキレが良く、なるべく振られないように、ホールドの向きを考えて距離を測っていた気がする。
最後のテクニックのピンクスローパーへのランジ。足ピンチが離せずに、絶対に振られると分かっていたから、いざとなったら、左手をオレンジにお迎えして振られを抑えようと思いながら、右手のガストンで振られを抑えるように飛び出した。
気合で止めて、ぎこちなくマントルまで行って、無事、完登。
出し切ったー。
後に続く牛乳、和歌が完登できず、優勝となった。
テクニックのピンクスローパーへのランジを止めたとき
脇はわずかに開いてしまっていたが、腕を引き付けて重心が胸にあった為に振られを抑えられたと見える
決勝3課題目の牛乳
同じく、和歌
山梨県の国体選手を決める大会で優勝してしまったのはとても複雑な心境ではあったが、皆に褒められて素直に嬉しかった。
表彰状と優勝カップと、ROKX。
終始、和やかなムードでリラックスできたのもよかったと思うが、それでも予選の反省点は凄く多かった。
体調の悪い中で望んだ山梨カップだったけど、良かった点、悪かった点を考え直して、今後のトレーニングに組み込んでいこうと思う。
そして、マーブーの壁改造の必要性をまじまじと実感した。
応援してくださった皆様、ありがとうございました。
出陣じゃ
2011.03.20 Sunday | category:COMPETITION
明日は長野県松本市のエッジアンドソファでのコンペを予定していた。
この震災で、僕も色々と考えることもあり、コンペの参加をどうするか迷っていたが、少しでもイベントが盛り上がり、クライミング業界に携わる人達の活気付くことへの協力にもなると判断して、キャンセルしないことにした。
どうやら松本市内のガソリンスタンドは給油制限があるものの給油には問題なさそうなので、ガソリンの面では大乗だろうということもある。
活力向上に一役かえれば、それだけでも僕の存在意義がありよう。
誰がキャンセルしているのかは不明だけれども、肺魚さんや、KOさんなど、手の届かない場所にいる憧れのクライマーと一緒に登れるってのは、本当に本当に嬉しくて、多くのことを吸収できるし有意義なこと。
この機会を逃したらかなり悔やまれる。
引きずっている手首のTFCC障害や、右肩の症状不明の痛み、重い腰痛を伴って、僕の体のコンディションはお世辞にも良くは言えないが、ここ数ヶ月のトレーニングとコンペで、故障とのうまい付き合い方もわかってきてるし、課題やルールを見ての戦略がうまくいけば、それなりに良い登りができるんじゃないかと思っている。
また、今回のコンペの参加料は被災地の義援金としても使われるということで、出場する意義はさらに高まる。
こんな状況だけれども、士気を高めて、良い結果が出せるように頑張ろう。
その為にも、ROKXのアスレチックパンツを、、、買ってしまおうか、、、
この震災で、僕も色々と考えることもあり、コンペの参加をどうするか迷っていたが、少しでもイベントが盛り上がり、クライミング業界に携わる人達の活気付くことへの協力にもなると判断して、キャンセルしないことにした。
どうやら松本市内のガソリンスタンドは給油制限があるものの給油には問題なさそうなので、ガソリンの面では大乗だろうということもある。
活力向上に一役かえれば、それだけでも僕の存在意義がありよう。
誰がキャンセルしているのかは不明だけれども、肺魚さんや、KOさんなど、手の届かない場所にいる憧れのクライマーと一緒に登れるってのは、本当に本当に嬉しくて、多くのことを吸収できるし有意義なこと。
この機会を逃したらかなり悔やまれる。
引きずっている手首のTFCC障害や、右肩の症状不明の痛み、重い腰痛を伴って、僕の体のコンディションはお世辞にも良くは言えないが、ここ数ヶ月のトレーニングとコンペで、故障とのうまい付き合い方もわかってきてるし、課題やルールを見ての戦略がうまくいけば、それなりに良い登りができるんじゃないかと思っている。
また、今回のコンペの参加料は被災地の義援金としても使われるということで、出場する意義はさらに高まる。
こんな状況だけれども、士気を高めて、良い結果が出せるように頑張ろう。
その為にも、ROKXのアスレチックパンツを、、、買ってしまおうか、、、
6/27 ウォールストリート ぼるセッション 6th
2010.06.30 Wednesday | category:COMPETITION
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