BWCルートセットその1
2011.10.11 Tuesday | category:COMPETITION
今日からの3日間はライムストーンクライミングクラブにてルートセット手伝いの勉強。
仕事じゃなく、勉強。
日本代表の特別合宿で使用する課題のセット。
ボルダリングワールドカップでセッターを務める国際A級ルートセッターのTonde氏の手伝い、という名目。
オーガナイズは全て氏が行う。
まずはアイデア出し。
たぶんこのプロセスが一番大事なんだと思う。
できるか、できないかは二の次。
ムーブ、というか、動き、というか、盛り上がる課題の基軸となるアイデアを出し、そのアイデアを元にしてボリュームを付けていく。
ほぼ全てのアイデアは氏が以前よりプランニングしていたので、それを元に。
僕も1課題アイデアを出させてもらった。
そんなこんなで、アイデアを少しだけ形にして初日は終了。
今思いつく限りで、自分で勉強になったと思ったことを書き出しておく。
主役の選手が、いかにかっこ良い動きができるか、いかに観客をあっと驚かせることができるか、そして、いかに観客に選手をヒーローだと思わせられるか。
セッターはヒーローが格好良い姿を披露する「舞台」をつくるのが仕事。
良いアイデアも、一人の傲慢な決定では良い舞台にはならない。
みんなでディスカッションしながら、アイデアを具現化していかなければならない。
アイデアを形にする第一段階は、3分以内にやる。
これ以上時間をかけると、アイデアは歪んでしまい、ダメなループに陥る。
3分以内に具現化できない場合は、他の人に変わる。これが効率的で、良い舞台作りになる秘訣。
コンペ課題をグレーディングで分けない。矢印表記。↑・→・↓
全てはクオリティ重視。
意見の食い違い、羞恥心、独りよがり、傲慢なものはクオリティを落とす。
常にチーム全員がクオリティの高さを求めてディスカッションし、具現化していくことこそ、クオリティを高める唯一の方法。
ジムのテープ排除に関する興味深い話も聞いた。
アイデアの一例。
・トリプルジャンプ
・レッグダイノ
・ランニングジャンプ
・マントリング
・難解スクイーズ
・高難度デッドポイント
・マントリングジャンプ
などなど。
今回はコンペを対象としたルートセットなので、特に重要視している点は「リスキー」であること。
前述した通り、グレーディングをしないのだが、WCでもグレーディングしたらV6〜V8ぐらいだろうとのこと。
故に、保持力だとか、ムーブの難しさだとかは問題じゃなく、簡単だけどすごくリスキーなムーブだとか、何回かやればほとんどの人はできるけど、1回できたとしても、それが確実にできるようなものでないものだとか、そういうこと。
初日はアイデアの具現化の第一段階のみだったので、このようなことだった。
明日からは実際に形にしていく作業に入る。
このようにリストアップしていくと、僕がマーブーコンペで意識していることとWCでセッター達が頭を捻って悩むことは、もちろんレベルの差は大きいけど、あながち間違っていなかったと認識した。
クライマーに登ってもらいたい、クライマーに楽しんでもらいたい、お客さんに嫌われたくない、そういったセッターやジムオーナーの考え自体がイベントを失敗に導いてしまう現象は、もはや確定的だと思う。
「いかに見ている側の人間を意識し、いかにクライマーを英雄に仕立て挙げられるか」
コンペの成功にはセッター・運営のチーム全員がこの思考の共有が不可欠。
保持力で優劣を競う時代はとっくの昔に終わっているってことに気づかないのは愚かだと思う。
一瞬のチャンスをものにできるかできないか、そこで優劣を決められるコンペを開催することができれば、観客は驚き興奮し、クライミング競技を見ることに幸せと楽しみを覚えるだろうし、選手は自分のコンセントレーション能力やコーディネーションに対する意識も変わり、失敗したことは大きな経験となり、成功したことは大きな自信となる。
結果的に、皆が懸念する「クライミング競技を観戦することにお金は払わない」ことからの脱却につながるのではないだろうか。
そして、収入源が確保されれば、さらに課題やイベントのクオリティが上がるのは必然的で、なぜお金を取るイベントとならないのかを、日本人の先天的な性格に決めつけるのではなく、イベント自体に対する考え方を大きく方向転換しなければならないのではないだろうか。
後半は独りよがりな感想になってしまったが、初日だけでもとても多くの有意義な勉強ができたし、また何か自分の中に一本の柱を得ることができた。
本当に、明日からの2日間がさらに楽しみでしょうがない。
仕事じゃなく、勉強。
日本代表の特別合宿で使用する課題のセット。
ボルダリングワールドカップでセッターを務める国際A級ルートセッターのTonde氏の手伝い、という名目。
オーガナイズは全て氏が行う。
まずはアイデア出し。
たぶんこのプロセスが一番大事なんだと思う。
できるか、できないかは二の次。
ムーブ、というか、動き、というか、盛り上がる課題の基軸となるアイデアを出し、そのアイデアを元にしてボリュームを付けていく。
ほぼ全てのアイデアは氏が以前よりプランニングしていたので、それを元に。
僕も1課題アイデアを出させてもらった。
そんなこんなで、アイデアを少しだけ形にして初日は終了。
今思いつく限りで、自分で勉強になったと思ったことを書き出しておく。
主役の選手が、いかにかっこ良い動きができるか、いかに観客をあっと驚かせることができるか、そして、いかに観客に選手をヒーローだと思わせられるか。
セッターはヒーローが格好良い姿を披露する「舞台」をつくるのが仕事。
良いアイデアも、一人の傲慢な決定では良い舞台にはならない。
みんなでディスカッションしながら、アイデアを具現化していかなければならない。
アイデアを形にする第一段階は、3分以内にやる。
これ以上時間をかけると、アイデアは歪んでしまい、ダメなループに陥る。
3分以内に具現化できない場合は、他の人に変わる。これが効率的で、良い舞台作りになる秘訣。
コンペ課題をグレーディングで分けない。矢印表記。↑・→・↓
全てはクオリティ重視。
意見の食い違い、羞恥心、独りよがり、傲慢なものはクオリティを落とす。
常にチーム全員がクオリティの高さを求めてディスカッションし、具現化していくことこそ、クオリティを高める唯一の方法。
ジムのテープ排除に関する興味深い話も聞いた。
アイデアの一例。
・トリプルジャンプ
・レッグダイノ
・ランニングジャンプ
・マントリング
・難解スクイーズ
・高難度デッドポイント
・マントリングジャンプ
などなど。
今回はコンペを対象としたルートセットなので、特に重要視している点は「リスキー」であること。
前述した通り、グレーディングをしないのだが、WCでもグレーディングしたらV6〜V8ぐらいだろうとのこと。
故に、保持力だとか、ムーブの難しさだとかは問題じゃなく、簡単だけどすごくリスキーなムーブだとか、何回かやればほとんどの人はできるけど、1回できたとしても、それが確実にできるようなものでないものだとか、そういうこと。
初日はアイデアの具現化の第一段階のみだったので、このようなことだった。
明日からは実際に形にしていく作業に入る。
このようにリストアップしていくと、僕がマーブーコンペで意識していることとWCでセッター達が頭を捻って悩むことは、もちろんレベルの差は大きいけど、あながち間違っていなかったと認識した。
クライマーに登ってもらいたい、クライマーに楽しんでもらいたい、お客さんに嫌われたくない、そういったセッターやジムオーナーの考え自体がイベントを失敗に導いてしまう現象は、もはや確定的だと思う。
「いかに見ている側の人間を意識し、いかにクライマーを英雄に仕立て挙げられるか」
コンペの成功にはセッター・運営のチーム全員がこの思考の共有が不可欠。
保持力で優劣を競う時代はとっくの昔に終わっているってことに気づかないのは愚かだと思う。
一瞬のチャンスをものにできるかできないか、そこで優劣を決められるコンペを開催することができれば、観客は驚き興奮し、クライミング競技を見ることに幸せと楽しみを覚えるだろうし、選手は自分のコンセントレーション能力やコーディネーションに対する意識も変わり、失敗したことは大きな経験となり、成功したことは大きな自信となる。
結果的に、皆が懸念する「クライミング競技を観戦することにお金は払わない」ことからの脱却につながるのではないだろうか。
そして、収入源が確保されれば、さらに課題やイベントのクオリティが上がるのは必然的で、なぜお金を取るイベントとならないのかを、日本人の先天的な性格に決めつけるのではなく、イベント自体に対する考え方を大きく方向転換しなければならないのではないだろうか。
後半は独りよがりな感想になってしまったが、初日だけでもとても多くの有意義な勉強ができたし、また何か自分の中に一本の柱を得ることができた。
本当に、明日からの2日間がさらに楽しみでしょうがない。
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